三菱電機は、非接触の生体センシング情報から運転中のドライバーの体調異常を検知する技術を確立したと発表した。ダッシュボード上のカメラと独自開発の人工知能(AI)が、ドライバーの肌の明るさの変化から異常を検知し、事故を未然に防ぐ。大学病院と連携して検証と実車での評価を進め、2025年以降の製品化を目指す。

 同社は、カメラの映像から肌の明るさなどの微小な変化を抽出するAIと、体調異常を検知するAIを独自に開発。脈拍数や脈拍間隔、血圧の変化などの生体情報を非接触で推定し、自動停止機能など事故防止に役立てることができる技術を開発した。

 国内の健康に起因する交通事故の3大要因である、心疾患とてんかん、脳血管疾患によって生じる脈拍や血圧の変化に着目し、開発に至った。従来は難しかった、ドライバーの姿勢崩れがない場合でも、早期に異常検知する。顔の動きを追従し、光の変化などの影響を抑制することで、高い検出精度を実現したという。

 同社は、ドライバーのわき見や居眠りを検知するドライバーモニタリングシステム(DMS)装着車に、ソフトウエアを更新して実装することも視野に入れる。