感情推定の仕組みと活用のイメージ

 デンソーテン(加藤之啓社長、神戸市兵庫区)は11日、脳波センサーや心拍センサーといった生体センサーから得たデータを活用することでドライバーなどの感情を見える化する技術を開発したと発表した。この技術にさまざまな情報を組み合わせることで、安心・安全な運転を促すサービスの提供を実現できるとしている。

 脳波や心拍波形などの生体信号から人の活性度や快適度を算出して感情を推定する方法はこれまでも提案されていた。今回開発した技術は、独自に構築した感情モデルを活用して、脳や心臓の動き方に基づいて感情を推定する。これまでの実験で8割程度の精度で人の感情を推定できることを確認したとしている。

 今回開発した感情推定技術と、交通や天気といった周囲の状況やクラウドサーバーに蓄積されている情報を組み合わせることで、ドライバーの状態に合わせたサービスを提供できる。渋滞でイライラしている時に回り道になってもスムーズに走行できるルートを提案できる。また、自動車教習所で苦手な運転とその時の感情を客観的に知ることで効率的な練習につなげられるという。

 同社ではこの新技術を自動車向け以外でもスポーツ選手のメンタルトレーニングなどに活用できるとみている。