有馬浩二氏と林新之助次期社長(右)

デンソーは4月10日、林新之助経営役員(59)が代表取締役社長COO(最高執行責任者)に昇格する役員人事を発表した。有馬浩二社長(65)は代表権を持つ会長CEO(最高経営責任者)に就く。社長交代は8年ぶり。CSwO(チーフソフトウエアオフィサー)の林氏が新社長に就き、次世代車の鍵を握るソフトウエア開発を加速させる。

6月開催予定の定時株主総会で正式に決定する。松井靖取締役経営役員は副社長に昇格する。名古屋市内で開いた記者会見で、有馬氏は「クルマがモビリティに進化し、ソフトの重要性がさらに高まっている。(林氏は)エレクトロニクスとソフトウエアに精通している」と評価した。

林氏は「メカ」「エレクトロニクス」「ソフトウエア」の三位一体での製品開発を行うデンソーならではのソフト戦略を進めてきた。社長就任にあたり「新たな価値を創造し続け、変化の時代を力強く生き抜いていく会社へと進化させる」と意気込みを語った。

新体制では、代表取締役が1人増え、3人となる。有馬氏は会長CEOとして経営の最終責任を負い、松井氏は副社長として経営戦略や財務の視点から新社長を支える。有馬氏は日本自動車部品工業会の会長を務めるが、任期である2024年5月まで継続する考えを示した。

〈プロフィル〉はやし・しんのすけ氏 1986年3月早稲田大学理工卒、同年4月日本電装(現デンソー)入社。2020年6月CSwO、21年1月経営役員、22年1月モビリティエレクトロニクス事業グループ長。三重県四日市市出身、1964年1月生まれ、59歳。