スズキは6日、補修部品などの鉄道輸送で31フィート(全長9.4、幅2.2、全高2.6メートル)コンテナを導入したと発表した。10日から運用する。補修部品の鉄道輸送比率は2~3割だが、今後は31フィートコンテナを増やし、4割程度まで引き上げる考えだ。「2024年問題」による輸送能力の低下やカーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)対応を踏まえ、トラック輸送を船舶や鉄道輸送に置き換える「モーダルシフト」を進めていく。

 まずはスズキ部品センター福岡(福岡県久山町)向けに送る四輪車の純正部品や補修部品で31フィートコンテナを活用する。JR貨物の西浜松駅(浜松市中区)から福岡貨物ターミナル駅(福岡市東区)までを週2回、鉄道輸送する。将来的にはスズキ部品センター仙台(宮城県富谷市)、スズキ部品センター苫小牧(北海道苫小牧市)などへの輸送にも活用する。補修部品工場の大平健工場長は「(部品工場からの)長距離輸送でメリットを出せる」と語った。

 すでに福岡、仙台、苫小牧の部品センター向けには12フィートコンテナでの鉄道輸送を活用している。31フィートコンテナの積載量は約20トンと、12フィートコンテナに比べ2.5倍で、大型トラックとほぼ同量を運べる。トラック輸送よりも時間がかかるが、環境負荷やドライバー不足などを踏まえるとメリットを出せるという。二酸化炭素(CO2)排出はトラックと比べて約8割減らせる。

 自動車業界では、トヨタ自動車も部品輸送で自社専用の31フィートコンテナを導入している。