みちろぐの管理画面

 アイシンは28日、人工知能(AI)を活用した道路維持管理サービス「みちろぐ」の本格運用を4月1日から始めると発表した。車両に搭載したカメラやセンサーで収集したデータから道路損傷などの異常箇所を割り出し、自治体の道路維持管理を効率化させる。これまでの実証を踏まえ、より精度を高めた「みちろぐ2.0」をリリースする。まずは愛知県岡崎市と刈谷市で導入し、全国の自治体へ売り込む考えだ。

 みちろぐは、2019年10月に岡崎市で実証を始めたアイシンの新たなサービスだ。カーナビ開発のノウハウを生かし、車両から得た画像やデータで路面状況を的確に把握する。ごみ収集車や公用車のほか、同社が提供するオンデマンド交通サービス「チョイソコ」の車両などによる実証を通じて検知精度の向上を図ってきた。

 本格的に運用を開始するみちろぐ2.0では、これまでクラウド上で行っていたAI画像認識に加え、端末や近くのサーバーで情報を処理する「エッジコンピューティング」を用い、異常の検知をより高い精度で行えるようにした。路面の平坦性を示す指標「IRI」とひび割れ率を割り出し、地図上で損傷状況を色分け表示する機能も新たに搭載した。

 道路状況をよりタイムリーに可視化できるようにし、道路維持管理業務の効率化につながるという。