NOKが中国・無錫に持つ生産拠点

 NOKは、中国に研究開発(R&D)拠点を新設する検討に入った。2023年度から始まる3カ年の中期経営計画中に詳細を詰めて稼働を目指す。中国国内に電気自動車(EV)向けのR&D機能を持つことで、自社技術を駆使した高品質な製品を売り込むとともに、製品開発から投入までのスピードが速い現地メーカーのニーズに対応できるようにする。すでにR&D機能を持つ日本、ドイツとの3極体制を構築し、市場ごとのニーズに合致した製品開発を加速していく。

 中国・無錫にある生産拠点に併設する形で、R&D拠点の新設を検討する。EVをはじめとする次世代車などに関連する技術開発を担う拠点とする計画。具体的な規模や投資額などは今後、詰める。鶴正雄社長は「R&D機能だけでなく、製品の試作までできるようにする」と語った。25年度までの次期中計期間中に稼働を目指す。

 無錫の生産拠点では、現地に拠点を持つ日系メーカーなどに、オイルシールやOリングなどを主に生産・供給している。新たに設置を計画するR&D拠点では、既存製品の高性能化に加え、これまで培ったゴムの材料配合や成型技術などを生かし、モーター向け回転シールなど、新領域の開発にも力を入れていく。

 中国にR&D拠点を持つことで、現地メーカーへの納入拡大も狙う。同社は、神奈川県藤沢市に開発センターを持ち、ドイツのフロイデンベルグ社と技術提携する形で欧州でも技術開発を手がける。EVの主戦場である中国にもR&D拠点を新設することで、それぞれの地域でニーズに合った製品を開発・供給する。