豊田通商と関西学院大学は22日、共同出資によりパワー半導体材料のSiC(炭化ケイ素)ウエハーの研究開発を行う新会社「キュレダリサーチ」を設立したと発表した。資本金4億5千万円を折半出資し、豊田通商機械・エネルギー・プラントプロジェクト本部の瀬川恭平氏=写真左から2人目=が社長を務める。両者が共同開発した、SiCウエハーの表面ナノ制御プロセス技術「ダイナミック・エイジング」と、ウエハーの加工で生じる結晶表面の歪みを可視化する計測技術を軸に、ウエハーの高品質化や生産性の向上、大口径化に取り組む。2025年の実用化を目指す。

 「ダイナミック・エイジング」は、高温加熱によりウエハー表面の原子配列を並び替える非接触式の加工技術を取り入れた、新たなウエハー製造法だ。関西学院大学工学部の金子忠昭教授(新会社の代表取締役CTO=最高技術責任者)が生み出した。ウエハー品質の向上と低コスト化につながる有望技術だ。

 豊通と関西学院大学は17年から高品質なSiCウエハーの量産プロセス技術を共同開発してきた。