配送ロボット開発のスタートアップ、LOMBY(ロンビー、内山智晴社長、東京都品川区)は、スズキと自動配送ロボットの共同開発契約を締結したと発表した。スズキの「セニアカー」(電動車いす)と部品を共通化してコスト競争力を高めたロボットの量産化が狙い。すでに電動車いすの駆動部品を活用し試作車を製作した。今夏に広島市内でロボットの走行性と利便性を検証するとともに、24時間運行に向けて自律走行型ロボットを開発し、2023年度のサービス導入を目指す。

 両社は、22年からスズキの電動車いすをベースに製作した台車を用いて自動配送ロボットの開発および実用化の検討を開始した。共同開発では、スズキが台車の設計・開発を担当し、ロンビーが試作と配送システム開発、実証実験の運営などを行う。完成した試作車の初号機は屋外を遠隔操作、屋内は自律制御で走行する“ハイブリッドな機体”という。サイズは全長975×全幅630×全高1013ミリメートル、最高時速は「セニアカー」と同じく時速6キロメートルとする。

 国内では23年4月以降に道路交通法改正案が施行され、自動配送ロボットは「遠隔操作型小型車」として公道走行が可能になる見通し。ただ、普及には生産コストをはじめとした課題が散見されており、これらの解決が競争力の確保に欠かせない。

 こうした中、高齢者の増加に伴い電動車いすの需要拡大が予測されるため、駆動系をはじめとした電動車いすの主要部品を搬送ロボットに応用し、コスト低減を図ることにした。