熊本市内の事業検証1号店では、ヒョンデのEVでカーシェアや各種サービスを提供

 三菱商事エネルギー(南浩一社長、東京都千代田区)は6日、電気自動車(EV)の展示や試乗、電子商取引(EC)購入サポート、納車から洗車、充電までのサービス提供の実証事業を開始すると発表した。ガソリンスタンド(給油所)を活用したEV販売に関する一連の業務とアフターサービスの拠点を構築する。第1弾として、ヒョンデモビリティジャパン(趙源祥社長、横浜市西区)と業務提携した。インポーターがショールームやアフターサービス網を持たない地方を中心に、ネットワークを整備する考えで、ユーザーのEV購入を後押しする。

 三菱商事エネルギーと関連会社カーフロンティアが保有する給油所のネットワーク約5千店を活用する。特約店の東光グループ(石原裕士社長、熊本市中央区)が運営する給油所を業態転換したカフェ&ダイニング「STAND(スタンド)」を1号店に運用を開始する。ヒョンデジャパンのカーシェアリングサービス「モーシャン」を活用してEV「アイオニック5」の試乗機会を創出する。また、EVの展示や試乗に加え、EC購入サポート、納車、整備、洗車とコーティング、充電までのサービスを提供する。

 EV購入を検討しているユーザーは、給油所のサービス待ち時間などでEVを体験することができる。また、出力6キロワットの普通充電器を設置することから、EVユーザーは、充電時間中に各種サービスを受けることも可能という。

 2023年中に、事業を検証するため複数の店舗をオープンさせる予定。企業や個人でカーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)の機運が高まる中で、インポーターと連携してさらなるEV普及に結び付ける。給油所の油外収益を新たに創出し、社会インフラとして給油所の存在価値を高める考えだ。