三菱商事エネルギー(南浩一社長、東京都千代田区)は、食品や飲料、生活用品を販売する無人決済店舗をガソリンスタンド(給油所)に展開する。無人決済システムを手掛けるタッチトゥゴー(TTG、阿久津智紀社長、東京都港区)と組み、給油所のセールスルーム内に7~15平方メートルの売り場を設ける。駐車スペースの問題でコンビニや飲食店に寄りにくいトラックドライバーなど需要を取り込む狙いだ。
両社は14日、初の給油所併設型無人決済店舗「フード&カフェ太陽鉱油千葉新港SS店」(千葉市美浜区)を10月1日にオープンすると発表した。TTGが開発した狭小スペース向け無人決済システム「TTGセンスマイクロ」を導入し、約7平方メートルのスペースにおにぎりやパン、菓子、飲料など200~300品を並べる。まずはこの1号店でオペレーションの課題などを検証し、全国展開につなげる。
大型トラックを駐車できるコンビニや飲食店は限られており、食事や休憩場所の確保に苦慮するドライバーが少なくないという。こうした中、給油のついでに気軽に食品などを購入できるスペースを設けることで、ドライバーの利便性向上につなげる。
また将来的には、少ない人件費などで運営できるメリットを生かし、コンビニなどが出店しにくい過疎地域の給油所などにも広げていきたい考え。自治体などと連携して災害時などに地域の食料供給拠点として活用できる仕組みも視野に入れる。
両社の発表によると、給油所に無人決済店舗が併設されるのは全国で初のケースになるという。TTGの無人決済システムは、駅や空港などの売店に採用されるケースが増えており、大手コンビニチェーンのファミリーマートなども導入している。