日産自動車とルノー、三菱自動車は2月6日、ルノーが保有する日産株を現在の43%から15%に引き下げる交渉について法的拘束力のある合意書を締結したと発表した。これにより、ルノー株を15%保有する日産とルノーの関係は対等になる。資本関係の見直しとセットで協議してきた、ルノーの電気自動車(EV)の新会社に日産が最大15%を出資することや新興国での協業施策も合意した。これらの協業の取り組みは3月末までに最終契約を締結する。

ルノーが5日、日産が6日に開いたそれぞれの取締役会で合意案を承認した。ルノーが日産株の28.4%をフランスの信託会社に信託し、日産株価が上昇した後の最適なタイミングで売却する。これに伴い、これまで不平等な資本構成を前提にしていた「改定アライアンス基本契約」も見直し、15年を有効期間とする新たなアライアンス契約を3月末までに締結する。出資比率を均一にすることでアライアンスのガバナンス(企業統治)を強化する。

資本関係を見直す一方で、ルノーが設立するEVとソフトウエアの新会社「アンペア」には日産が最大15%を出資することも決めた。今回の発表では、三菱自動車もアンペアに出資を検討する意向も改めて示した。

また、中南米やインド、欧州での協業策も発表した。中南米ではルノーが開発した0.5トンクラスのピックアップトラックを日産のアルゼンチン向けに供給する一方、メキシコの日産工場でルノー向けの車両を生産。インドでは、複数の新型車プロジェクトでの協業やAセグメントのEVの投入を検討するとした。欧州でもEVを中心に三菱自を交えた3社で商品面の協業を加速する。

3社の共同会見に出席した内田誠社長は「アライアンスが次のレベルに向けて一歩進んだ」と述べ、三菱自の加藤隆雄社長は「3社の新たな成功につながると確信している」と語った。