東京大学は26日、デンソーやブリヂストンなどと「タイヤ内電力給電技術」を開発したと発表した。

 開発した技術は「第3世代走行中ワイヤレス給電インホイールモーター」をベースにした。非接触給電システムは、磁界を用いて電力を送るため、受電コイルと送電コイルの隙間を短くすることが重要だ。東大は、路面と接地するタイヤの内部に中継コイルを組み込み、コイル間の隙間を短くすることに成功した。

 タイヤ内給電には、磁界を中継するコイルを用いる。タイヤとホイール内にそれぞれ配置した2個の中継コイルに給電し、これらの中継コイルから受電コイルに電力を送る仕組みだ。タイヤとホイール内の中継コイルは有線接続のため、金属製のホイールでも電力を送ることができる。

 電気自動車(EV)では、航続距離の確保が課題のひとつだ。走行しながら給電できれば、EVの実用性が増すだけでなく、大量の電池を積む必要がなくなる。

 共同開発は東大大学院新領域創成科学研究科とデンソー、ブリヂストン、日本精工、ロームと共同で「SDGs(持続可能な開発目標)を実現するモビリティ技術のオープンイノベーション」社会連携講座の一環として取り組んだ。