日産自動車は19日、二酸化炭素(CO2)排出を減らした神戸製鋼の鋼材「コベナブルスチール」とアルミ板材を日産車に順次、採用していくと発表した。車重の約7割を占める鉄とアルミの部品を低CO2排出品に切り替え、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)対応を加速させる。

 コベナブルスチールは、高炉工程のCO2排出を大幅に減らした鋼材で、量産車に採用されるのは初めて。日産が採用するのは、高炉工程で削減したCO2を一般的な工程で製造した鋼材に割り当てる「マスバランス方式」により、製造時のCO2排出量を100%削減した「コベナブルプレミア」だ。

 まず、新型「セレナ」のうち、来春発売予定のシリーズハイブリッドシステム「eパワー」搭載モデルを皮切りとして、最終的にはセレナ全車に採用する。具体的な使用量は今後、協議して決める。

 アルミ板材は、太陽光発電由来の「グリーンアルミ地金」を使い、アルミ地金を製造する際のCO2排出を従来比で半減させたものだ。来春以降に「アリア」「エクストレイル」などのボンネットフードやドアなどに採用する。日産の工場で発生したリサイクル原料も使い、CO2排出をさらに減らしていく考えだ。

 日産は、主要な取引先とカーボンニュートラル実現に向けた対話を進めており、神戸製鋼以外の日系鉄鋼メーカーが提供する低CO2鋼材の採用も検討する考えだ。