新型セレナを発表する星野副社長

 日産自動車は28日、「セレナ」を6年ぶりに全面改良し発表した。排気量1.4リットルの専用エンジンを組み合わせた第2世代シリーズハイブリッドシステム「eパワー」を初搭載し、パワフルで滑らかな加速性能を実現するとともに静粛性を向上した。全車速域でハンズオフ走行が可能になる先進運転支援システム「プロパイロット2.0」を新設の最上位グレード「ルキシオン」に標準装備するなど安全性能も高めた。ガソリン車を今冬から、eパワー車を来春、それぞれ発売する。

 新開発したeパワー専用エンジン「HR14DDe」は、スターターなどを取り除き、発電用に機構を簡素化した。回転数を抑制するとともに、ボディー剛性を向上するなどエンジン音を抑える構造とし、作動音を抑制した。カーナビと連携しエンジン作動タイミングを抑制する世界初のエネルギーマネジメント技術を採用することでエンジンの作動頻度も低減した。ガソリン車には四輪駆動(4WD)車も設定する。eパワーは前輪駆動(FF)車のみとなる。

 グレード設定はルキシオンと「ハイウェイスターV」「XV」「X」の4つを展開する。初設定の最上位グレードのルキシオンは、他メーカーの上級ミニバンなどからの代替需要を狙う。パワートレインは、排気量2.0リットルガソリンエンジンとeパワーの2種類を用意した。

 車両価格は276万8700~479万8200円(消費税込み)。従来モデルとの価格差は「eパワーXV」で27万2800円で、機能の向上や原材料価格の高騰分などが含まれている。

 同日、都内でセレナの発表会を開いた。星野朝子副社長は「『アリア』『サクラ』をはじめ電動車を投入し、電動車比率は50%を超えた。お客さまに日産車を買って良かったと思ってもらえる商品を投入していく」と述べた。