位置情報を活用した防犯対策を望むニーズは多い

 パイオニアが7日公表した「ドライブレコーダーの利用状況に関する調査」によると、車両盗難などの対策として位置情報の把握が効果的と考えるユーザーが約5割に上ることが分かった。位置情報の発信機能を防犯対策に活用する取り組みは、保護者による子どもの見守りサービスなどで一般的になっている。自動車分野でもさまざまなサービスが取り入れられているが、導入するユーザーが限られているのが実情だ。普及すれば、被害発生時に迅速な対応が可能になる。愛車の安全を強化する上でも、用品業界などを中心に認知向上に取り組む必要がありそうだ。

 効果的な防犯対策については位置情報のほか、「異常を検知した際に車両から音でアラートを発してくれる」が45・5%、「異常を検知したときに通知で知らせてくれる」が41・8%と高く、車両の状態をリアルタイムで把握できる機能にニーズがあることも明らかになった。日本損害保険協会が調べた盗難被害が多い上位10車種のユーザーを対象にした調査でも、66・6%が「車内の様子がモニタリングできると安心」と答えた。こうした機能と、位置情報の発信を組み合わせた製品やサービスが増えると、さらなる普及を後押しする可能性が高い。

 一方、盗難被害が多い10車種を保有するユーザーのうち、実際にGPS(全地球測位システム)機能を使っている割合は13・4%にとどまった。この車種以外のユーザーでは8・0%とさらに少ない。車両盗難の抑止につながる製品やサービスに必要性を感じているユーザーが多いものの、実際に取り入れるまでには至っていない実態も鮮明になった。 

 警察庁によると、今年の1~9月の自動車盗難事件は、前年同期比12%増の4297件だった。車両盗難だけでなく、当て逃げなど駐車場のトラブル対策で、防犯製品に関心を持つユーザーも多い。しかし、利用が進まない背景には、導入コストの高さや製品の知名度不足といった要因があるとみられる。マイカーのさまざまな被害を減らす上で、こうした課題解決につながる取り組みが求められそうだ。

 この調査は10月27~31日に、インターネット上で実施。自動車を保有する男女1200人から回答を得た。