藤貫哲郎CTO

 スバルは、ソフトウエアの教育体制を強化する。幅広い職種の新入社員を対象にソフトウエア研修を実施するほか、技能水準に応じてインセンティブを支給する制度を検討する。コネクテッド技術や人工知能(AI)を市販車に適用するためには、ソフト専門人材だけではなく、ハードウエアのエンジニアがソフト技術に長けている必要もある。こうしたことから教育や給与体制を見直し、幅広い社員にソフトウエア技術を学ばせていく。

 スバルの藤貫哲郎最高技術責任者(CTO)が5日までに日刊自動車新聞などの取材に応じ、ソフトウエアの教育体制を強化する方針を明らかにした。

 具体的にはまず、新入社員を対象とした3カ月間のソフトウエア教育を今年度から始めた。開発分野だけでなく、ソフト技術を幅広く業務に活用する。藤貫CTOは「研修の中で人材を発掘していく」とも述べ、研修を人材発掘の場としても活用していく考えを示した。

 また、ソフトウエアの技術水準を「初級」「中級」「上級」「超級」などに分け、個々の水準に応じてインセンティブを付与するよう、給与体系を見直す方針も明らかにした。藤貫CTOは「場合によっては本部長よりも給与がもらえる人がいても良い」と、メリハリをつけて優秀な人材を処遇する考えも示した。

 ただ、「海外のIT企業のように1人に数千万円を払うとなると厳しい」(藤貫CTO)のが実情だ。スバルはAIの開発拠点「スバルラボ」を都内に開設し、経験者を中心にソフトやAIの専門人材の採用を始めている。藤貫CTOは「『ステップアップの一環でスバルで働いてもらえればそれで良い』という考えも必要だ」と、優秀なソフト人材を囲い込むような報酬体系とは一線を画す考えも示した。ただ、ソフト系の開発体制は、群馬県と比べて人材を獲得しやすい都内を中心に強化する方針で、スバルラボのほか、内燃機関などの研究開発を行っている東京都三鷹市の拠点のソフト開発機能を強化していく考えだ。