2022年9月の車名別新車販売台数は、トップ10の車種全てが前年同月比を上回った。昨年夏は、東南アジアでの新型コロナウイルス感染拡大によるサプライチェーンの混乱など、各メーカーとも生産計画に対する減産を強いられた。現在は、部品供給体制が改善傾向にあり、新車供給台数も以前より増えてきたことが数字に表れた。一方、トヨタ自動車やホンダは、10月の生産計画の下方修正を発表するなど、今後の新車販売正常化には不透明な状況が続いている。

 日本自動車販売協会連合会(自販連、金子直幹会長)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協、赤間俊一会長)が6日、登録車と軽自動車の車名別新車販売台数をそれぞれ発表した。総合ランキングトップのホンダ「N―BOX(エヌボックス)」が前年同月比64・4%増の1万9411台で3カ月ぶりの首位に返り咲いた。2位のトヨタ「ヤリス」は同25・9%増の1万5979台で、上位2車種のみが1万台を上回った。3位のダイハツ「タント」は同86・4%増の9878台と前月のトップ10圏外からランクインした。トップ10のうち、前月より大幅に順位を伸ばしたのはトヨタ「ヴォクシー」「ライズ」の2車種。このうち、全面改良以降、納期が長期化しているヴォクシーは同174・7%の8241台で、前月から5千台近く販売台数を伸ばした。

 登録車ランキングでは、日産「ノート」が2カ月連続で2位に入った。7位のトヨタ「ノア」は同277・2%増の7770台で、前月から4千台近く台数を上乗せした。

 軽自動車ランキングでは、エヌボックスが4カ月連続で首位をキープした。2位のタントは前月の5位から大きく順位を伸ばした。3位のスズキ「スペーシア」は前月からランクを1つ落とした。軽電気自動車(EV)の日産「サクラ」は前月比20・6%増の4247台、三菱「eKクロスEV」は同77・2%増の1058台と2車種で5千台を超え、国内EV市場をけん引している。

 9月は減少幅が大きく改善されたが、コロナ禍以前の19年9月の総合ランキングでは上位10車種いずれも販売台数が1万台を超えており、いまだ回復途上だ。全軽自協は「新型コロナウイルス感染再拡大による部品調達の滞りの影響は継続しており、9月の販売台数としては高い水準ではない」とみている。