いすゞ自動車は4日、商用車のクラウド型運行管理システム「MIMAMORI(みまもり)」を全面刷新したと発表した。今月から富士通などと運用を開始した商用車情報基盤「GATEX(ゲーテックス)」を利用することで、スムーズな目的地案内や走行距離、二酸化炭素(CO2)排出量を削減できる機能を追加した。ドライバーの労働時間の上限が規制される2024年問題の解決に貢献するサービスを提供する。

 MIMAMORIはデータ通信とインターネットを活用し、遠隔で車両の運行情報を収集、解析するクラウド型の運行管理システム。

 今回の全面刷新では、いすゞと富士通との共同出資会社で、運行管理サービスなどを手がけるトランストロン(TTI、林瑞泰社長、横浜市港北区)が提供するクラウド型運行支援サービス「ITP―ウェブサービス」と画面を統一し、運行管理者が少ない操作で情報を確認できるようにした。

 運転日報のレイアウトは最大約10万通りにカスタマイズできるほか、自動で労務管理帳票の管理・集計を行える。

 運行指示書のデータと自動的に連携し、スムーズな目的地案内により走行距離とCO2排出量を削減できる「商用車ナビ」や運行管理者がウェブ上で最大6台の車載カメラ映像を確認できる「動画ドラレコ」の新機能を追加した。

 「インターネットデジタコ」や「点呼機能/アルコールチェッカー連携」などの機能を標準搭載した。車両の位置情報をもとに、従来の降水に加え、津波情報や気象警報・注意報、土砂災害危険度マップ、台風、地震情報などを確認できる。

 新たなユーザーインターフェースの採用により、同日に改良した大型トラック「ギガ」では標準搭載のセンターディスプレーで直感的に操作できるようにした。新型ギガ以外の車両にも搭載が可能だ。

 新たな機能を追加することで、物流事業者が課題と位置付ける2024年問題への対応を図りやすくする。

 ゲーテックスは、いすゞとTTI、富士通の3社が2021年から構築を進めてきた商用車情報基盤。いすゞとTTIを合わせた約50万台の車両向けにサービスを提供することで、商用モビリティ分野で最大規模の情報基盤となる。