国土交通省は5日、電動キックボードなど「特定小型原動機付自転車」の保安基準案で設置を義務付けた「識別点滅灯火」の技術基準案を有識者会議で示した。灯火色は緑色が適当とし、車道走行時は常時点灯に、歩道走行時は点滅させる仕様とした。点滅回数と他の灯火との兼用に関しては、警察庁や有識者の意見を踏まえて継続審議とし、結論を持ち越した。道路運送車両法に基づく改正保安基準の公布は12月下旬を予定する。

 同日に都内で「新たなモビリティ安全対策ワーキンググループ(WG)」を開いた。識別点滅灯火の設置目的は、特定小型原付の要件を満たしていることを示し、歩道走行時に歩行者の安全確保を図るためとする。今夏に実車を用いて実施した識別点滅灯火に関する技術検証の結果を踏まえた上で、技術基準案を提示した。

 改正保安基準の適用時期は、新車が2023年度中とし、すでに公道を走行している使用過程車は24年12月下旬を予定する。識別点滅灯火以外の装置は23年度中とする。国交省は「できる限り前倒しで実現を進めたい」考えだ。

 技術基準案では、識別点滅灯火は車体の前方および後方25㍍の距離から昼間も点灯または点滅を確認できることとした。灯火の色に関しては、青色と緑色で検証した結果、判別性が高い緑色が識別点滅灯火の色として適当とした。

 特定小型原付の要件を満たす電動キックボードは、歩道や路側帯を時速6㌔㍍以下なら走行できる。方向指示器との干渉を踏まえて、識別点滅灯火は車道走行時に常時点灯とし、歩道走行時には毎分40~60回の速さで点滅とした。

 警察庁からは、判別のしやすさや取り締まりの実効性を担保する狙いから点滅回数を毎分80回とする案が提案された。同WGの参加者からも「点滅回数は多い方が車道モードと歩道モードの違いが歩行者などからも分かりやすいのでは」との意見も挙がった。

 識別点滅灯火とウインカーなど他の灯火との兼用については、一部を除き可能とした(常時点灯が求められる前照灯や尾灯との兼用は不可)。歩道走行時のみで兼用とした。

 警察庁は兼用不可の考えで「点滅回数も含めて今後議論してもらえれば」と提案。同WG委員のマイクロモビリティ推進協議会の岡井大輝会長は「部品が増えると故障も増える。兼用を認めてほしい」と、事業者の総意を述べた。

 国交省が示した識別点滅灯火の技術基準案のうち、点滅回数と他の灯火との兼用は、今月または10月に書面開催を予定する車両安全対策検討会で引き続き審議するとした。