田中芳樹の長編SF小説「銀河英雄伝説」は、宇宙進出を果たした人類が織りなすドラマを描いたスペースオペラの金字塔。〝清廉な専制政治〟と〝腐敗した民主政治〟の衝突を主題とするとともに、どちらに共鳴するかという問いを、原作開始から40年を経た今なお読者に投げかける。作品は、民主政治陣営を率いるヤン・ウェンリー元帥が過激な宗教組織の凶弾に倒れる場面で一つ…