水素貯蔵モジュールのイメージ

 トヨタ自動車は15日、燃料電池車(FCV)で採用する70㍋パスカル の樹脂製高圧水素タンクと水素センサーなど安全装置を組み合わせた水素貯蔵モジュールを開発したと発表した。FCV「ミライ」に搭載する樹脂製高圧水素タンクをベースに搭載量の異なる4種類のモジュールを展開する。水素を効率的かつ安全に輸送可能にすることで、幅広い用途で水素エネルギーを活用できるようにする。

 ミライで採用する樹脂製タンクを4本使用してモジュール化した。4~36㌔㌘まで水素搭載量の異なる4種を用意する。軽量化できるため、従来の金属製カードルに比べて水素輸送効率は約4倍になるという。水素供給状態などを自動監視するシステムモニターと、異常を検出した際に水素供給を停止する安全機能を内蔵し、安全性を担保する。

 トヨタではミライで採用した燃料電池システムを2021年3月から販売している。その中で、樹脂製高圧水素タンクを鉄道や船舶、港湾での荷役機器や定置式発電機向けの利用を要望する声が出ており、貯蔵モジュールの開発を進めてきた。また水素を「はこぶ」取り組みは、トヨタが水素エンジン車で参戦するスーパー耐久シリーズで実証を重ねており、今回のモジュール開発につながっているという。