レストア作業中のシビック
シートポジションなどの微調整について佐藤選手が学生に直接伝えた

自動車大学校のホンダテクニカルカレッジ(HTC)を運営するホンダ学園(清水光太郎理事長)は8月7日、創設50周年事業として海外ラリーへの参戦を発表した。モナコ公国で2026年2月に開催される旧車を対象とした「第28回ラリー・モンテカルロ・ヒストリック」に、学生がレストアした初代「シビック」で出場する。参戦車両2台のうち1台は、レーサーの佐藤琢磨選手がドライバーを務める。海外ラリーへの挑戦を通じ、学生の整備技術の向上や精神面などの成長を促していく考えだ。

HTC関東(埼玉県ふじみ野市)と、HTC関西(大阪狭山市)から合わせて約30人が参加する。車両の制作から部品調達、現地での整備、当日のチーム運営まで学生が担う。

同日、HTC関東で参戦概要を発表した。佐藤選手は「学生とともに『ノーアタック、ノーチャンス』の精神で頑張りたい」と述べた。発表後、佐藤選手は学生のレストア作業に加わり、シートポジションなどについてアドバイスを行った。

ラリー・モンテカルロ・ヒストリックは、1911年から86年までに「ラリー・モンテカルロ」に参加実績のある車種や同等の仕様の旧車のみが参加できるレース。ホンダ学園では、HTC関東が東京大学と協力して2016年から22年にかけて同レースに参加していたが、協力範囲は車両整備にとどまっていた。単独での挑戦は今回が初めてとなる。