トヨタ自動車は1月18日、2月も計画比で約2割(約15万台)の減産になりそうだと発表した。減産後も2月として過去2番目の高水準だが、半導体不足により挽回生産が思うように進まない。この結果、約900万台を計画していた2021年度の生産計画も下回る見込みになった。年度の改定値は3月の生産計画を見極めた上で公表する考えだ。
2月は当初、約85万台の生産を計画していたが70万台程度とする。減産幅は国内外でほぼ半分ずつという。国内では全14工場28ライン中、8工場11ラインで2日~13日、稼働を停止する。発売したばかりの新型「ノア/ヴォクシー」のほか「RAV4」「カローラ」「アクア」「GRヤリス」、レクサス「NX」「LS」「UX」などが影響を受ける。
熊倉和生調達本部長は減産理由について「半導体の需給ひっ迫が要因だ」とオンラインで語った。2021年夏の最悪期は脱したものの、経済活動の回復に伴い、自動車以外の産業からの引き合いが活発になっており、品不足が続く。トヨタは仕入れ先に出向いて出荷状況を確認したり、代替品に切り替えたりして対処しているが、挽回生産分に見合う数量を確保できなかった。
ただ、熊倉本部長は「いつになるかわからない」と前置きしながらも、半導体需給の見通しについては「半導体各社が設備投資を進めており、(今は製品が)出てくるまでの期間だと思っている」とも語った。また、今のところはオミクロン株の感染拡大による生産影響は出ていないという。
トヨタはこれまで、年度の世界生産計画を約900万台で据え置いていた。熊倉本部長は「挽回したい気持ちはあるが、部品を集めたり、稼働できるよう感染対策を進めながら(3月に)100万台を超えることにしないと挽回ができないことを考えると、大変、厳しい」と語った。