現行の軽商用車「N-VAN」

 ホンダは、2024年に国内市場に投入する軽自動車の電気自動車(EV)を商用車とする方針を明らかにした。大手物流事業者など向けに限定して販売し、実用性などを検証するとともに、軽乗用EVの開発にもつなげていく。価格が高くなる軽EVは需要が不透明だ。事業活動でのカーボンニュートラルを推進する物流事業者向けなら一定の需要が見込めることから、まず軽貨物EVを試験的に市場投入する。ホンダは40年までに販売するすべてのモデルをゼロエミッション車とする計画で、これに向けて軽自動車のEVシフトを段階的に進める。

 ホンダは軽EVを24年に市場投入する計画を公表しており、まず軽商用モデルを投入する。SDGs(持続可能な開発目標)の観点から環境負荷の少ないEVの活用に積極的な大手の物流事業者などの法人向けに限定販売する。軽EVの使われ方や性能評価などを分析した上で一般向けの販売につなげる。

 市場投入時期は明確にしていないものの、軽貨物EVの開発で培った技術は軽乗用EVの開発にも活用していく。

 EVは航続距離が短いことや充電インフラが整っていないこと、価格が高いことが普及のネックとなっている。軽貨物車はルート配送など、1日当たりの走行距離が決まっているケースも多い。稼働していない時間に事業所で充電すれば航続距離が短くても需要が見込める。事業活動での脱炭素化を迫られる物流事業者は、ガソリン車との一定の価格差なら許容するとの見方もある。ホンダはまず普及のハードルが比較的低いとみられる軽貨物EVを市場投入する。

 自動車の脱炭素化に向けて電動シフトが加速する見通しだが、地方の移動手段として普及している軽自動車は、価格が重視されることからコストアップとなる電動化が大きな課題となっている。

 国内自動車メーカー各社は軽EVの開発を本格化しており、三菱自動車は昨年に生産を終了した軽商用EV「ミニキャブ・ミーブ」の販売を22年度に再開し、数年以内に新型モデルを投入する計画。三菱自と日産自動車は軽乗用EVを共同開発して22年度初頭に投入する予定。ダイハツ工業は100万円台の軽EVを25年に市場投入する計画。軽自動車のEVをめぐる開発競争が本格化する。