開発中の除雪支援システム画面

 ダイナミックマップ基盤(吉村修一社長、東京都中央区)は14日、高精度3次元地図データ(HDマップ)を利用した「除雪支援システム」の実証実験を開始すると発表した。従来の除雪作業は、位置情報の精度が10㍍級のGPS(全地球測位システム)を使って路面の構造物を捉えるため正確な把握に限界がある。同社は、HDマップなどによって数㌢㍍級で路面の構造物などの位置を特定し、悪天候時にも作業の安全性や作業効率の向上を狙う。

 実証は、17日から長野県飯山市で東京海上日動火災保険と共同で実施。ダイナミックマップ基盤は、HDマップにより積雪で隠れたマンホールやガードレールなどの構造物の位置情報を可視化してドライバーに伝える。車両の位置情報を推定する「RTK測位」も組み合わせ、吹雪などの視界不良時でも安全な作業の実現を支援する。

 設置する機器は、ソフトバンクの高精度測位サービス「イチミル」の受信機とアンテナ、タブレットのみ。地図の更新もリアルタイムで行うため不要。今後、今回の実証を検証した上で全国の豪雪地への社会実装を目指す。