京セラは25日、2028年度に売上高3兆円の事業規模を目指すと発表した。京都市で開催された「事業戦略説明会」で谷本秀夫社長が方針を明らかにした。21年3月期の売上高は1兆5268億円で、現状のおよそ2倍の規模に成長させる。旺盛な半導体需要を背景に、これから3年以内は半導体関連で2千億円規模の投資が続いていくとの見方を示した。各セグメントで施策を展開し、目標達成を目指す。

 22年3月期の売上高予想は1兆7500億円で、谷本社長は「2兆円はここ2年くらいで達成できそうだ」との見通しを示す。

 セグメント別の業績目標は、ファインセラミックスや自動車向け部品などの「コアコンポーネント」セグメントが売上高7500億円、利益率17・0%。積層セラミックコンデンサーや水晶部品などの「電子部品」が売上高5千億円、利益率20・0%。機械工具や情報機器などが含まれる「ソリューション」が売上高1兆5千億円、利益率15・0%だ。3セグメント合計の売上高は2兆7500億円だが、残りの2500億円は、ロボティクスなどの新規事業関連の売上高で達成を見込む。

 コアコンポーネントでは、産業・車載用部品で生産能力を拡大する。車載ADAS(先進運転支援システム)関連製品の需要が増加していることから体制を強化する。

 電子部品セグメントでは、タイに新工場を建設し、車載用積層セラミックコンデンサー(MLCC)などを生産する。今後伸長が予想される分野の一つである車載向けの部品に積極的に投資する。

 一方、カーボンニュートラルの達成に向けた取り組みとしては、再生可能エネルギーの導入量を30年度に20倍(13年度比)へと増やす。温室効果ガス排出量は30年度に46%削減(19年度比)を目標とし、50年度にはカーボンニュートラル達成を目指す。今後、脱炭素化に向けた動きを加速していく。