車室内に設置するセンサーボックス。フロントガラス内側の上部に設置する

 カーシェアリング車両の喫煙と損傷を自動で検知―。ロバート・ボッシュは、フリート運用者やモビリティサービスプロバイダー向けに車室内のタバコの煙と外装の損傷を検知する「ライドケアソリューション」を開発すると発表した。車両に搭載するセンサーとクラウド上で行う人工知能(AI)によるデータ分析を組み合わせ異常を検知する。現在、アジア、北米、ドイツの大手カーシェアリングプロバイダーと協力して、製品化に向けたパイロットプロジェクトを進めている。

 同社によると、車室内に設置するセンサーボックスで車両損傷を検知するのは業界初の試みだという。従来のシステムでは煙、事故のどちらかを検知できても両方を検知することはできなかった。開発中の喫煙・損傷検知システムは、車両の損傷と煙の両方を確実に検知する。

 フロントガラス内側の上部に設置するセンサーボックスが事故や車室内の煙をセンサーで検知して情報をクラウドのバックエンドに送信。AIを用いて衝撃の強さを算出する。ソフトウエアのアルゴリズムは、車両の運動挙動データや道路状況といった追加情報も取り込むことで、損傷が外観上のものなのか、走行に影響を与えるものかを評価し、修理の必要性についても正確に判断する。

 同システムではAIデータ分析により、リアバンパーや足回りなど車両の損傷箇所も特定できるという。また、駐車中の接触事故も検知する。

 フリート運用者やモビリティサービスプロバイダーは、車両の損傷や車室内での喫煙状況に関する情報をリアルタイムで受け取ることができるようになる。