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 ボッシュ(クラウス・メーダー社長、東京都渋谷区)は、事故時の運転記録装置「イベントデータレコーダー(EDR)」からデータを読み出す作業員資格制度「CDR(クラッシュデータリトリーバル)テクニシャン」を12月1日に新設すると発表した。数年以内に同資格取得者数を1千人規模にまで増やすとともに、読み出しから解析まで行う「CDRアナリスト」と連携して、まずはEDR搭載の事故車の約3割でデータを活用した調査を行うことを目指す。

 11月中旬に「第1回CDRテクニシャントレーニング」を開催する。認定取得には、2日間のトレーニングを受講し修了試験に合格する必要がある。

 CDRテクニシャンの資格制度を設けることで、EDRデータを読み出せる拠点を増やせるようにする。これまでEDRアナリストが一括して行っていた作業をEDRテクニシャンと分担することで、自動車ユーザーなどがEDRデータを活用しやすい環境をつくり、客観的なデータで事故調査を実施できるようにする。

 ボッシュが認定するCDRアナリストは、警察機関や損害保険各社、調査研究機関などに約270人が在籍する。同社によると、国内事故調査の対象台数は約150万台だが、EDRデータを活用した調査は約4千台にとどまる。2022年7月から新型車に、26年7月から継続生産車にEDRの搭載が義務化されることでデータ活用の大幅な増加が見込まれるが、EDRのデータを取り扱える作業者の数が不足している。