国土交通省が設置している事業用自動車健康起因事故対策協議会の今年度の会合がリモートで開かれた。この中で、健康起因事故運転者の3割、死亡者の7割が循環器系の疾病で占められており、疾病を早期発見する重要性が示された。さらに、疾患検査受診率や健康管理マニュアルなどの認知度、アンケート回答数は、バス事業者がタクシー、トラック事業者を上回っていることが報告され、バス業界のこの問題に対する意識の高さが浮き彫りになった。

 同協議会では、最近の事故発生状況や各種調査結果が開示された。

 2019年までの過去7年間、健康起因事故を起こした運転者(1891人)の疾病を見ると、最も多い「心臓疾患」と2位の「脳疾患」、さらに「大動脈瘤・解離」の循環器系が全体の約3割(593人)を占め、健康起因により死亡した運転者(327人)のうち7割(259人)にも達している。

 また、同省がモデル事業として調査協力費(一人5千円)を支給して行っている脳検診スクリーニング検査受診結果を見ると、19年度、18年度ともタクシーがバス、トラックより「異常所見あり」「同疑いあり」の割合が多かった。同省安全政策課では「タクシーは高齢者の割合が高く、加齢に伴う症状が多かった」と説明している。

 アンケート調査では、今年度から回答数を増やす目的でウェブ調査に切り替えた結果、バスとタクシーの事業者からの回答が大幅に増えた。特にバスは、小規模事業者の回答が増えた影響もあり、回答数が最も多くなった。また、同省の健康管理マニュアルと各疾病対策ガイドライン認知度、各疾病スクリーニング検査受診率、「検査の必要性を感じる」との回答率などで、バスが他モードを上回っている。同課では「各マニュアル・ガイドラインの認知度は(各モードとも)8割を超えている。SAS(睡眠時無呼吸症候群)と脳血管疾患の受診率は、バスで7割と5割に達し、必要性の認識も全モードで高まっている」とした上で、特にバス業界の意識の高さを指摘した。

 最後に、今年3月で期限切れとなる事業用自動車総合安全プラン2020に続く次期安全プランの検討状況の説明があった。原案に飲酒運転・健康起因事故対策などを盛り込んで現在パブリックコメントを進めており、各検討会の議論を経て2025年まで運用する新プラン策定につなげる方針が示された。