国土交通省は、自動車整備士養成施設を対象に電動車対応に向けた支援策の導入を目指す。政府は2035年までにすべての新車を電動車とする方針で、整備現場でも対応を迫られている。ただ、養成施設では定員割れなどが続く中で経営状況が厳しく、新たな投資が難しいのが実情。このため、国交省では電動車対応の教育に先進的なアイデアを持つ養成施設の教材導入を支援できるようにする。支援先では教育効果を実証調査し、他の養成施設への横展開も目指す。実現すれば整備人材の育成・確保で、養成施設を直接的に支援する初めての取り組みとなる。

 国交省は22年度の制度化を目指す。支援対象は、整備専門学校や高等学校、職業能力開発校など一種養成施設と二種養成施設の各都道府県の自動車整備振興会技術講習所となる。教材は電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)などの構造を把握できるカットモデルや、外部故障診断機(スキャンツール)や電動車に対応した絶縁工具などのツールを想定する。これら以外にも各養成施設が検討するカリキュラムに応じて支援を行うことになる。また、感電のリスクを伴う電動車の整備作業を、安全を確保した上で必要な知識や技術を身に付けられるように効果的な実習方法の検証も視野に入れる。

 政府は50年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルの方針を掲げる。自動車は二酸化炭素の排出量で一定の割合を占めるため、脱炭素化の動きは加速していく見通しだ。電動車の普及にはアフターマーケットの対応も求められており、新技術の性能を維持するために欠かせない整備人材を輩出する養成施設の電動車教育を後押しする考えだ。