ものづくりの品質向上に向けた取り組みも進めている

 スバルの2020年度(20年4月~21年3月)の世界生産台数は前年度比21・4%減の80万9895台と大幅に落ち込んだ。昨年春のコロナ禍による新車市場の落ち込みや、海上輸送用コンテナ不足、半導体不足による生産調整が影響した。主力市場の米国はコロナ禍前から販売が好調だったこともあって在庫が極端に減少し、販売機会を失っているケースもあったとみられる。スバルは中期経営ビジョンで25年度に世界販売130万台を目標に掲げるが、目標達成には安定的な生産体制の確立が大きな課題となる。

 2割減となった世界生産台数と対して、世界販売台数は同8・6%減の91万6325台だった。主力市場である米国販売は「フォレスター」「アウトバック」「クロストレック」といったSUV系が堅調で、同4・8%減の64万1777台と、コロナ禍の中で健闘した。

 販売が小幅なマイナスだった一方で、米国生産は同22・4%減の29万台と不振で、国内生産も20・9%減の52万台と大幅減となった。19年夏に米国で生産を開始したアウトバックは同7・7%減と1桁台のマイナスだったが、日本で生産するフォレスターは同24・7%減とマイナス幅が大きかった。米国で生産するインプレッサは同43・0%減と大幅マイナスだった。

 20年度の世界生産のマイナス幅は、日本の乗用車メーカー8社の中で7番目に大きい。他社と比べて生産台数の減少幅が大きかったのはコンテナ不足と半導体不足による減産の影響が大きかったことが主因だ。昨年後半、米国で物流需要の拡大に伴うコンテナ不足が発生した。スバルは、米国生産向け部品の供給が遅れて約1万台の減産を強いられた。また、半導体不足についても他社よりも影響が大きく、20年度だけで6万1千台分の減産となった。

 半導体不足の影響は長期化しており、21年4~6月期も約6万台分の減産影響があった。スバルでは下期には一定台数を挽回し、実質の影響を4万台に抑える計画だが「下期には世界的な半導体不足が解消する」(水間克之取締役専務執行役員)という楽観的な読み通りにいくかは不透明だ。

 米国での在庫車の水準が極端に少なくなっており「(調達の)価格が上がっても量を確保することを優先する」(同)と、半導体の確保に注力する。21年度の世界生産台数は同2割増の99万台を計画している。

 生産規模拡大よりも、ものづくりにおける品質向上に向けた取り組みを進める。完成検査問題の再発防止策として350億円を投じて群馬製作所(群馬県太田市)に「完成検査棟」を新設、22年夏に一部を稼働する予定だ。検査棟を含めた品質改革費用として18年度以降で1500億円を投じて品質改善の徹底を図る。