道の駅が災害時の支援活動を担う場所に進化(国交省ホームページより)

 国土交通省は11日、防災拠点としての機能を有する「防災道の駅」を初めて選定したと発表した。同日の閣議後会見で赤羽一嘉国土交通相は初選定の39駅について今後、防災機能の強化に向けて「重点的な支援を行う」とした。加えて、当面の目標について「全国の都道府県に1、2カ所程度を設けることで、全国100カ所を想定している」と、防災道の駅の拡充を進める姿勢を示した。高い防災機能を有する道の駅のネットワークを広げることで、災害時の安全な交通社会と社会経済活動の維持に役立てていく考えだ。

 防災道の駅の選定要件は、都道府県が策定した防災計画などに位置づけられている道の駅のうち、建物の耐震化に加え、電力や通信、水、食料の備蓄が十分であるかが求められる。災害時の支援活動に活用するため、2500平方メートル以上の駐車スペースを備えていることなども条件となっている。

 国交省では1993年に道の駅の制度を創設。当初は道路利用者の休憩場所としての機能が主だったが、赤羽国交相が「各地域での創意工夫もあり、道の駅自体が観光目的地や地域の拠点となってきた」と評価するように、着実に役割を広げてきた。こうした動きを「第2ステージ」に位置づけていたが、さらなるステップアップを目指し、2020年から防災機能を持つ「第3ステージ」への移行を目指してきた。今回の初選定でこうした取り組みが実を結んだ。

 赤羽国交相は「災害が頻発化、激甚化する中で多くの道の駅が復旧復興活動の役割を果たすことも期待されている」とし、今後も国交省として「防災減災に資する社会の実現のための政策を進めていく」と意欲を示した。