独ボッシュは、ドイツ・ドレスデンに新設した半導体工場が正式にオープンしたと発表した。シリコンウエハの製造拠点で、まずは自社の電動工具向けのチップ生産を7月から開始する。自動車メーカー向けチップについては当初予定よりも3カ月早まり、9月にもスタートさせる計画だ。

 新工場は、IoT(モノのインターネット)と人工知能(AI)を組み合わせた同社初の「AIoT」工場となる。完全にネットワーク化されており、工場内の機械やセンサー、製品などから収集するデータをAIを使って分析することで、最適な保守作業時期や製品の異常検知などを自動的に最適化するスマートファクトリーとなっている。

 新工場は2018年6月に建設をスタート。21年1月から製造プロセスでウエハの製造を本格的に開始していた。

 まずは電動工具向けチップの生産から始め、半導体不足による減産がグローバルで続く自動車メーカー向けのチップ生産も9月から始める。

 ボッシュはシュトゥットガルト近郊のロイトリンゲンにも半導体工場を持つ。ドレスデンの新工場とともに「半導体需要の拡大に応えていく」としている。