ボッシュは8日、2021年後半に稼働するドイツ・ドレスデンの半導体新工場で、シリコンウエハの製造を開始したと発表した。新工場では自動車用マイクロチップや、電気自動車(EV)、ハイブリッド車などの電動車に搭載するDC/DCコンバーターで用いるパワー半導体を製造する。車載用半導体が不足していることから工場の稼働を急ぐ。

 新工場では、半導体の製造に向けて、直径300ミリメートルのウエハの製造を開始した。半導体の製造工程は完全自動化して、チップを効率的に製造する体制を整えるとしている。すでにマイクロチップのプロトタイプを電子部品に組み込みテスト段階に入っているという。

 新工場の建設は18年6月にスタートした。19年後半に延床面積が約7.2万平方メートルの建物が完成し、その後クリーンルームに製造設備を設置した。20年11月に自動製造サイクルでウエハを初回製造、21年1月から製造プロセスでウエハの製造を本格的に開始した。

 ボッシュはシュトゥットガルト近郊のロイトリンゲンでも半導体工場を持つ。ドレスデンの新工場とともに、さまざまな産業での需要急増で不足気味となっている車載用半導体を安定的に調達する体制を構築する。