那珂工場

 ルネサスエレクトロニクスは1日、那珂工場(茨城県ひたちなか市)の生産能力が火災前の水準に戻る時期について予定していた5月中からずれ込むと発表した。5月末時点の生産能力は火災前の88%の水準で、6月中旬に製造装置を立ち上げて、その後に火災前のレベルに復旧する見通し。

 同社の那珂工場は、主に車載向け半導体を製造するN3棟が3月19日に火災が発生し、約1カ月後に仕掛品を中心に生産を再開しながら、焼損した製造装置の交換を進めてきた。完全復旧に向けて動いてきた。製造装置の一部で納入が遅れて、生産能力が火災前の水準に戻るのに計画より遅れる見通しとなった。

 半導体受託生産会社などでの代替生産は予定通り進んでおり、出荷量は7月にも火災前の水準に戻る見通し。ただ、那珂工場が火災前の水準に完全復旧しても、世界的な車載用半導体不足の問題は長期化する見込み。