回転曲げ疲労試験装置

 愛知製鋼は2日、水素用ステンレス鋼の開発評価に用いる新たな設備を稼働させたと発表した。水素用ステンレス鋼の高性能化や低コスト化を急ぎ、燃料電池車(FCV)をはじめとするさまざまな水素用機器へ売り込むのが狙いだ。

 90メガパスカル (約900気圧)の高圧環境下で作動する「回転曲げ疲労試験装置」を開発して稼働させた。2019年から使う軸荷重型の試験装置と比べて疲労試験にかかる時間を10分の1に短縮できる。

 水素は、金属の奥深くに入り込んで構造を脆くする「脆化(ぜいか)現象」を起こすため、水素を扱う材料には通常より高い強度や耐久性が求められる。愛知製鋼は従来の試験装置も併用して水素用ステンレス鋼の開発ペースを上げる考えだ。