高速道路のサービスエリア(SA)にある一部の急速充電器も更新時期にある

 急速充電器の更新時期が2022年にもピークを迎える。国内の急速充電器は12~14年ごろに設置された機器が多く、これらの充電器が10年程度といわれる寿命を一気に迎える。商業施設などのほか、電気自動車(EV)の投入に合わせて率先してインフラ整備を進めてきた日産自動車や三菱自動車系の販売会社でも対応を迫られそうだ。

 現在、国内には約7千~8千基の急速充電器が設置されている。急速充電器は日産が「リーフ」、三菱自が「アイ・ミーブ」を投入した時期から徐々に普及し、政府が総額1005億円の補助金を用意してインフラ整備を本格化した13年を境に急速に増加した。

 このうち最も多い設置場所が販売会社だ。経済産業省によると、販売店の設置台数は19年3月時点で約2600基と全体の3割以上を占める。トヨタ自動車やホンダの系列販社でもEVやプラグインハイブリッド車(PHV)の投入に合わせて整備を進めているが、その大半は日産と三菱自が10年代前半に設置した急速充電器となり、「すでに更新しなければいけないタイミングのものも出てきている」(日産販社首脳)。日産や三菱自販社の場合、現状は出力50㌔㍗の充電器が多いが、更新時期に合わせて90㌔㍗以上の充電器の設置に切り替えていく見通しだ。

 充電インフラをめぐっては、老朽化対応とともに充電渋滞や空白エリアの解消も求められる。EVの普及台数を考えると現状では必要十分な充電インフラが整備されているものの、カーボンニュートラルの実現に向けてEVの普及を進めるにはマンションや高速道路の充電網整備のほか、欧州では一般的な公道への充電器設置も検討する必要がありそうだ。一方で、こうした充電ネットワークを構築し、維持するためには「100万~150万台のEVの市場規模が必要」(eモビリティパワー関係者)と指摘する向きもある。車両の普及と充電インフラの再整備を両輪で進める必要がある。