実証に用いたフォーミュラカー
システム構成

 NTTドコモは、高精度な全球測位衛星システム(GNSS)を活用した測位サービスで、最高時速290kmで走行するフォーミュラカーにおいて、誤差約10cm以内での測位に成功したと発表した。車両にGNSSアンテナとLTE通信可能なGNSS受信機を搭載し、GNSS衛星からの電波と位置補正情報を使って測位した。サーキット内に設置するタイム計測用ビーコン通過位置と比べて約10cmの誤差での高精度測位に加え、総走行時間の96%で測位が可能なことも確認した。

 実証実験は12月初旬に鈴鹿サーキットで開催された全日本スーパーフォーミュラ選手権で、ドコモがスポンサーとなったレーシングチームと日本電信電話と共同で実施した。高速移動時に高精度測位が可能になれば、自動車や鉄道の自動運転で正確な車両位置を認識した制御が可能となる。線路・道路などの交通インフラの走行中の精密な点検も期待できる。同社は今後も、さまざまな環境での安定した高精度測位の実現に向けた検討を進めるとしている。