日立金属は、2021年度末までにグループ全体の従業員数を3230人削減すると発表した。19年度末の3万5400人から約1割減らす。定年退職による自然減に加え、早期退職の募集や臨時従業員数の適正化で収益に見合う人員体制にする。また、22年度末までに各拠点のオフィス面積を縮小し、賃料を現状の3分の1に縮減する。米中貿易摩擦や新型コロナウイルスの感染拡大で事業環境が悪化する中、コスト構造改革を実行して早期に収益基盤を立て直す。

 同日、2022年度まで3カ年の中期経営計画も発表した。新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、19~21年度の現中計を見直した。コスト構造改革では、緊急施策として10月から来年3月まで役員報酬の一部返上や管理・専門職の給与カットを行う。不採算製品の撤退や拠点の統廃合も実行し、「コスト改善で損益分岐点を引き下げる」(西山光秋会長兼社長)ことで、減収減益の傾向にある業績の立て直しを図る。

 こうした施策で、23年3月期の調整後営業利益率を、売上収益が同規模の20年3月期と比べて3㌽増の8%に引き上げる。売上収益は8700億円、調整後営業利益は700億円を目指す。

 4月に公表した品質不適切行為に関する調査結果は12月にも公表する。