ホンダは11日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って生産を停止していた中国湖北省の武漢工場で、従業員の一部が出勤し、少量ながら同日に生産を再開した。約1カ月半にわたって生産を止めていたことから生産設備を確認しながら段階的に稼働率を引き上げていく予定。これに伴ってホンダ系列サプライヤー各社も湖北省にある工場の再開に向けて準備を本格化している。

 湖北省政府は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、10日まで企業に対して省内の事業活動を要請。ホンダと東風汽車との合弁会社東風ホンダは武漢工場を春節休暇から稼働を停止していた。東風ホンダは感染防止対策を実施し、省政府に申請していた武漢工場の再開が認可されたことから11日に稼働させた。

 これに伴って系列部品メーカーも湖北省にある工場の生産再開準備を本格化している。エイチワンは東風ホンダの稼働に合わせて、武漢市にある工場の再開を目指すものの、再開に時間がかかる場合、中国国内の他の工場から部品を供給できるように手配した。

 ケーヒン、八千代工業は11日現在、政府から武漢市にある工場の生産再開の許可を得ていないため、当面、在庫部品で対応しながら再開に向けて準備する。

 武漢工場の生産再開で、ホンダの中国国内にある工場はすべて稼働した。ただ、2月17日から生産再開した広州工場も稼働率は通常の半分にとどまっている。さらに、2月のホンダの中国での新車販売は前年同月比85%減と大幅に落ち込んでいる。中国の一部販売店は営業活動を再開できていない状況で、中国事業の回復には時間がかかりそうだ。