中国に進出する日系自動車メーカー6社の2月の新車販売実績が出そろった。日産自動車は9日、2月の新車販売台数が前年同月比80・3%減の1万5111台だったと発表した。日系メーカー6社の合計は同78・9%減の5万3439台となり、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で大幅に落ち込んだ。

 中国の2月の総販売台数は発表されていないが、新型コロナウイルスの影響で生産工場の稼働停止や多くの新車ディーラーが休業に追いやられ、大幅に減少したもよう。

 日産では、乗用車販売が80・9%減、商用車販売が75・4%減となった、山﨑庄平専務執行役員(東風汽車総裁)は「17年前の『SARS(サーズ)』以来の深刻なウイルスの蔓延を目の当たりにしている中、このような販売実績となることは予測されていた」とコメントした。

 新型コロナウイルスの影響が出る前の中国市場も、米国との貿易摩擦などで停滞していた。その中でも日系メーカーは堅調に販売台数を維持していたが、新型コロナ問題は銘柄を問わず販売に影を落とした。トヨタはすでに9割超の店舗が営業を再開しているというが、3月以降の新車需要はまだまだ不透明であり回復への見通しは立っていない。日産やホンダは中国の販売比率が高く、新型コロナウイルスによる市場低迷が続けば今後の業績への影響が避けられない。