下回りの腐食具合まで、しっかりと検査を実施
上物コンディションシートは関西会場独自の試み。不具合がある場合は、細かく記載している
建設機械洗浄対応(油水分離槽完備)の洗車場を完備しているところも強みの一つ

 荒井商事が運営するアライオートオークション(AA)ではバイクや乗用車のほか、バン・トラック(バントラ)や建設機械、農業機械、産業機械まで幅広い商材を取り扱っている。中でも、アライAA関西会場(大阪市大正区)は、全商材を取り扱うアライAAグループでも唯一の会場。

 出品時の検査は、アライAAグループ6会場や全国8ヤードで行っている。今回は関西会場で、特に出品数が多いバントラと建機の検査について紹介する。

 まずはバントラの検査について。乗用車とバントラの違いとして、荷台部に平ボディやアルミボディのほか保冷・冷凍庫、ミキサーなど用途に合わせた上物を載せる。

 アライAAの検査は、上物の検査まできっちり実施。さらに、関西会場では独自で「上物コンディションシート」を作成し、査定票には書ききれない部分を補っている。コンディションシートは、下見画像で公開しており「現車の下見に来られないバイヤーからは、特に好評を得ている」(同会場検査員)という。

 次に乗用車との違いは、車両の骨格となるフレームが、はしご状の「ラダーフレーム構造」を採用していること。多種の上物に対応すべく、頑強な作りになっているが「上物の種類で負担や腐食が変わる」(同)という。検査時に下回りまで入念なチェックと、出品車撮影では20枚以上を撮影。フレームの腐食具合まできっちりと公開している。

 建機の検査は他の商材と違い、「評価点」が付かない。そのため検査時は「全ての動作確認をし、シフトレバーのがたつきなど、ダメージ箇所を細かく確認している」(同)。また、油圧ショベルなどで泥汚れがひどい場合は、建設機械洗浄対応(油水分離槽完備)の洗車場で洗浄も行っている。

 アライAAでは検査員の育成に注力。長年の知識を生かし、商材別の検査マニュアルを作成しているほか、「油圧の仕組み」など各商材を扱う上での基礎知識も身に付け、個々のスキルを上げる取り組みを盛んに行っている。

 買う側に安心材料を提供し、売る側には少しでも高値の落札につなげるために、きっちりした検査体制を整えるアライAA。特に、多くの商材を扱う関西会場の今後の展開に期待される。