武蔵精密工業は27日、JSRの完全子会社でリチウムイオンキャパシタを手がけるJMエナジー(山近幹雄社長、山梨県北杜市)の株式80%を取得し、子会社化すると発表した。株式譲渡の実行日は4月1日の予定で、残りの株式20%はJSRが引き続き保有する。投資額は非開示。モビリティの電動・電装部品の電源システムに活用するほか、送電網や通信網など社会インフラへの展開も見込む。

 リチウムイオンキャパシタは電気二重層キャパシタとリチウムイオンバッテリーの技術を組み合わせた蓄電デバイス。エネルギー密度はリチウムイオン電池に劣るが、急速な充放電などができる。JMエナジーでは鉄道の回生エネルギーシステムや太陽光発電の平準化用途などで採用実績がある。

 武蔵精密工業はモビリティ分野ではまず二輪車や自動搬送車(SDV)などの電動駆動ユニットの電源システムへの活用を想定。2019年に出資した米全固体電池ベンチャーの技術も合わせて、エネルギーソリューションの自社活用や提案につなげる考えだ。