保釈中のカルロス・ゴーン被告が日本を出国したと海外の複数のメディアが報じた。ゴーン被告は特別背任などの罪で起訴されており、昨年4月に保釈されていたが、海外渡航は禁止されている。ゴーン被告はレバノンのベイルートに到着した模様だ。
日産の元会長のゴーン被告は、日産退任後に受け取る報酬を有価証券報告書に記載していなかったことによる金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)や、日産グループの資金を私的に流用していたとして会社法違反(特別背任)の罪で起訴されたが、2019年4月に保釈されていた。今年4月にも初公判が開かれると見られていた。
保釈条件として海外渡航が禁止されていたが、保釈条件は変更されていない模様で、保釈取り消し覚悟で海外逃亡を謀った。また、保釈の条件としてゴーン被告のパスポートは弁護士が預かっていた。
今後、東京地裁が保釈を取り消し、保釈金15億円は没収されることになる。
ゴーン被告の弁護士は、公判前の準備段階で、起訴内容のすべてについて「無罪」を主張していく方針を示していた。ゴーン被告は保釈後、弁護士事務所に通って公判の準備に備えてきたが、妻のキャロルさんとの接見禁止に不満を漏らしていたという。
ゴーン被告の身柄引き渡しは外交ルートを通じて要請することになるものの、レバノンと日本は、犯罪人引き渡し条約が結ばれいないため困難になる。