日産自動車のナンバー3に就任したばかりの関潤執行役・副COOが退任することが明らかになった。関係者によると日本電産に移る見通し。関氏は12月1日付けで専務執行役員から副COOに昇格し、業績不振となっている日産の経営回復を主導する役割が期待されていた。日産の社員や関係する企業でとまどいが広がりそうだ。

日産は、社長CEOだった西川廣人氏が急きょ退任したことを受けて、12月1日付けで専務執行役員だった内田誠氏が社長兼CEO、三菱自動車のCOOだったアシュワニ・グプタ氏がCOO兼CPO、関氏が副COOにそれぞれ就任し、3頭体制で日産の経営体制を立て直すことにしていた。新しい経営体制については日産の指名委員会が、日産社内、社外の多くの候補者と面談した上で決定し、日産の取締役会が了承した。関氏は日産の中国事業の成長で力を発揮し、今春からはパフォーマンスリカバリー担当として業績改善に向けたリストラ策をとりまとめるなどしてきたことからトップ候補の1人として取り沙汰されていた。

関氏が退任する理由は不明だが、3人の中では関氏だけが日産のプロパー。商社出身で日産入りしたトップの内田氏より5歳上、グプタ氏より9歳上で、ナンバー3の処遇に不満があった可能性がある。

日産は米国や日本での販売低迷で業績が悪化している。関氏は副COOとしてパフォーマンスリカバリーに加え、商品企画、次世代モビリティも担当するなど、日産の経営回復のキーマンになる予定だった。

昨年11月にカルロス・ゴーン元会長が逮捕されてから、ルノーとのアライアンスを含めて経営のゴタゴタが続き、業績も悪化していた日産。12月に新しい経営体制に移行して本格的に経営立て直しに進もうとした矢先にナンバー3が戦線離脱することになり、社内外に動揺が広がる。