中間とりまとめの考え方の例

警察庁は、社会問題化している高齢者の交通事故防止対策として、免許更新時の実車による運転技能検査や、「サポカー」(先進運転支援システム搭載車)に限定して運転できる免許創設を検討する。

警察庁の「高齢運転者交通事故防止対策に関する有識者会議」の分科会が、中間報告案をまとめた。

高齢者の免許更新時、自動車教習所で実車を使って運転技能を検査し、運転技能が不十分な場合、免許証の更新を認めない制度を導入する。対象は75歳以上または80歳以上で検討する。過去に事故歴のある人や、特定の違反歴がある人など、交通事故を起こすリスクの高い人に絞り込むことも視野に入れる。運転技能検査が不合格となっても、何度でも検査を受けることを可能にする。

また、高齢者向けに、衝突被害軽減ブレーキや、ペダル踏み間違い事故の防止・被害軽減装置など、先進運転支援装置を装備した「サポカー」限定免許制度の創設も検討する。限定免許は任意で、新規取得も可能。車両のサイズを限定する可能性もある。サポカー限定免許を受けたことによって運転技能検査全てを免除することについては慎重な検討が必要としている。

サポカー限定免許の対象車両については、現在のサポカーがアクセルを踏み続けるような事故を防止できないため、今後、技術の実用化の動向を踏まえて検討する。

分科会では今後、運転技能検査の対象や、検査する自動車教習所などの受け入れ体制などについて検討、最終報告書をまとめる。これを受けて警察庁は、2020年に道路交通法を改正する方針。