3月に発足したアライアンスオペレーティングボード
ルノーのCEOを解任されたボロレ氏

ルノーがティエリー・ボロレ氏の最高経営責任者(CEO)を解任したことで、今後のアライアンスの動向が注目される。日産は9月に西川廣人氏が社長兼CEOを辞任し、2020年1月1日に内田誠専務執行役員が社長兼CEOに就任するなど、経営体制の一新を決めている。ルノーはボロレ氏を解任して日産との関係改善を図り、新生・日産と資本関係の見直し協議を加速したい意向で、今後の日産の出方がカギとなる。

日産は2020年1月1日付けで内田氏が社長兼CEO、三菱自動車のアシュワニ・グプタCOO(最高執行責任者)が日産のCOO、日産の関潤専務執行役員が副COOにそれぞれ就任、カルロス・ゴーン元会長による独裁経営から脱却して新体制に移行することを決めた。年内に臨時株主総会を開いて3人の取締役を選任する予定だ。

ボロレ氏は現在、ルノーのジャンドミニク・スナール会長とともに、日産の取締役を兼務しているが、臨時株主総会までに日産の取締役を辞任し、ボロレの後任となるルノーの新しいCEOが日産の取締役を兼務すると見られる。臨時株主総会で注目されるのが西川氏と、暫定CEOを務めている山内康弘氏の処遇だ。現在の日産の取締役は日産プロパーが2人、ルノー側が2人、社外取締役が7人という構成。日産プロパーが3人増えた場合、ルノーとのバランスが崩れることから、西川氏、山内氏の2人が取締役を外れる可能性がある。西川氏と山内氏が、ルノーの意向とは逆に、日産の独立性を重視していることも影響しそうだ。