ボロレ氏
スナール会長

ルノーは10月11日の臨時取締役会で、同日付でティエリー・ボロレ氏の最高経営責任者(CEO)の解任を決議したと発表した。同時に、クロティルド・デルボス氏を新しいCEOが決まるまでの暫定的なCEOに任命した。資本提携している日産自動車の西川廣人氏が社長兼CEOを辞任して新しい経営体制を決定、カルロス・ゴーン元会長色を一掃したことから、ルノーもゴーン元会長に近かったボロレ氏を外し、ルノー・日産アライアンスの経営体制を刷新する。

ボロレ氏はミシュラン出身で、ルノーでは2018年に最高執行責任者(COO)となり、ゴーン元会長の側近だった。ルノーのCEOも兼務していたゴーン氏が日本で逮捕され、日産の代表権と会長を解任された後も、暫定CEOとなり、ゴーン元会長に配慮する姿勢を示していた。ミシュランのCEOだったジャンドミニク・スナール氏が、ルノーの会長に就任すると、ボロレ氏はCEOに就任した。

日産は、同じくゴーン元会長の側近だった西川氏が、自身の報酬に関する不正が発覚したことなどから9月16日付けで社長兼CEOを辞任し、10月8日の取締役会で、内田誠専務執行役員が社長兼CEO就任するなど、新しい経営体制の発足を決定してゴーン元会長色を一掃した。

これを受けてルノーもスナール会長の主導で、ゴーン体制から脱却するため、ボロレ氏のCEOを解任。デルボス氏を新しいCEOが就任するまでの暫定CEOとし、オリビエ・ムルゲ氏とホセ・ビンセント・デ・ロス・モゾス氏が副マネージング・ディレクターに就任して、デルボス氏をサポートする。さらに、スナール会長が暫定的に社長を兼務する。

一方、欧州メディアによるとボロレ氏は交代に反発していると報じている。