日産のハリ・ナダ専務執行役員

日産自動車は10月9日、有価証券報告書で役員報酬の虚偽記載や、会社資産を私的に利用した特別背任罪で起訴されているカルロス・ゴーン元会長の不正を巡って東京地検特捜部と司法取引したとみられているハリ・ナダ専務執行役員の担当業務を変更すると発表した。

ナダ氏は専務執行役員・シニアアドバイザーとして特命業務を担当する。一部メディアはナダ氏がゴーン元会長の不正行為の内部調査に対して不当な関与をしたと報じていた。日産は不当な関与をしていた事実はないとしながらも「無用な疑義を招かないようにするため。また、今後の訴訟対応など、対処すべき重要な課題に取り組む役割を担うため」担当を変更するとしている。

ナダ氏が担当していたコーポレート・アドバイザリー・オフィス、法務室、知的財産部、チーフセキュリティーオフィスの業務については今後、川口均執行役副社長が兼務する。

日産は10月8日の取締役会で新しい経営体制を決定した。これを機に、ゴーン元会長の不正に関与していたと報じられているナダ氏の担当を変更して、新生・日産を打ち出す狙いがある。