バックボウ自律運転システムの構成図
実証実験の様子

NEC、大林組、大裕(大阪府寝屋川市、飯田浩二社長)は7月19日、土砂の積み込み作業を自動化するバックホウ自律運転システムを共同開発したと発表した。2019年12月に大林組の土木工事現場で実用化する。

建設業では、技能労働者の高齢化や若手就業者の減少による労働力不足が課題となっており、3社は建設機械を自律化して生産性を向上する技術の共同開発に着手してきた。

今回開発したバックホウ自律運転システムは、地盤の造成や、トンネル掘削といった土木工事、大規模建築物の地下掘削などで発生する土砂の積み込み作業を自動化する。

土砂の積み込み作業は、バックホウのアームやブーム、バケットの操作に熟練技能が必要で自律化が困難だった。バックホウに大林組と大裕が共同開発した汎用遠隔操縦装置「サロゲート」を装着した上で、土砂やダンプトラックの状況に応じた動作計画を大林組のノウハウをもとに作成した。バックホウの特徴的な動きや、応答遅延による影響を加味した制御を行うため、NECの「適応予測制御技術」を採用した。

加えて、熟練技能者による操縦のノウハウとAI技術も活用することで、掘削や積み込み時の機械の動き方を高精度に再現するとしている。

NECは、今回の開発の成果を活用して建設現場で活用できるソリューション開発を加速、建設作業の効率化と安全性向上を図る。